損益分岐点の問題というと、ある時点での売上と固定費と変動費と利益が与えられているので、そこから損益分岐点を求めろという問題と利益を2倍にするには、3倍にするには売上をいくらにすればいいかという問いが多い。
公式: 損益分岐点=固定費÷(1-変動費÷売上高)で求められるが、こんなのを覚えている人などいるのだろうか? この式では、理解不能だろう。
うちだったら、「売上=固定費+利益+変動費」と「固定費+利益:変動費 は比率が一定」と教える。図を見れば一目瞭然、中学で習うy=ax+bの正比例のグラフではないか。
たとえば、ある時点の売上が10000円、固定費が2000円、変動費が6000円、利益が2000円だっとして、損益が0円になってしまう分岐点を求めるとする。
固定費+利益:変動費が4000:6000の比率であることがわかる。つまり2:3
損益が0というのだから、 2000/変動費 = 2/3 よって、変動費=3000
売上=2000+0+3000=5000円が損益分岐点売上
利益を2倍にするには、という問題なら、
固定費2000円+利益2×2000円/変動費=2/3
2×変動費=3×6000円
よって、変動費=9000円のとき利益が2倍となる。
売上は、2000円+4000円+9000円=15000円
実際の出題ではちょっとひねって 売上、変動費、固定費、利益のうちのどれかが書かれていないことがあるが、計算すれば求められる。 売上を求めるのでなく品物の個数を求める場合もある。
問14 売価が20万円の新商品を売り出して,8,000万円を売り上げた。固定費は4,000万円であり,利益は2,000万円のマイナスであった。利益をマイナスにしないためには,あと何個以上売る必要があるか。
ア 100 イ 200 ウ 400 エ 800
上の例では変動費が書いてないが 売上=変動費+固定費+利益 から求められる。
「あと何個」となっているので、分岐点の売上の個数を求めてさらに今のを引くひねくった問題になっている。